花粉症の手術
多少の副作用のキケンももつ薬による予防・鎮静、減感作療法による長期の治療に対し、
もうひとつの外科的方法として、最近、注目されているのが、鼻のレーザー手術です。
■治療の目標
レーザー光線で、アレルギー反応の起きる「舞台」となる鼻の粘膜をやんわりと焼く。
すると、花粉(抗原)が入ってきても、 粘膜の過剰な反応を抑える ことができ、
鼻水、鼻づまりなどの症状を簡単に止められる。
しかし、そもそも花粉症は、アレルギー体質が基礎になって起こる、免疫系の全身病の一種。
手術は、局所(鼻の粘膜)だけなので、病気そのものが完全に治すためのものではない。
■メリット
日帰りできる 外来手術 で、出血や痛みなど患者の負担になるものが少ない。
麻酔は局所麻酔。鼻の中に麻酔のガーゼを入れるときに少し痛いくらいで、手術中は 痛みも出血もほとんどない。
医師や病院によって異なるが、2~8回のレーザー照射で、手術時間も1回につき5~20分間と短い。
これで、上手くいけば減感作療法よりも効果的に、鼻水・鼻づまりなどが解消。また、子供にも手術できるところが良い。
■治療費
1996年4月から、この治療法は健康保険が適応になったため、両鼻で1万円程度 。
■効果
鼻炎の具合や、レーザーを照射する回数にもよるが、70~80% の効果。
しかし1~2年経つと、もとの粘膜に再生し、効果が薄れてくることがある。
その場合、再照射をすればほとんど大丈夫。
■治療プログラム
まず、麻酔薬を浸したガーゼを、鼻の中に約20分入れる。
それから、鼻の穴から4~5cm奥にある 粘膜にレーザー光をあてる。
花粉症などの場合、通常この部分にアレルギー反応を起こす花粉などがくっつくので、炎症を起こし赤く脹れている。
レーザーの照射は、両鼻で20分もあれば終了。
レーザーがあたっても痛みはほとんどない。
しかし鼻の中は、レーザー光に焼かれ、一種の「かさぶた」が表面にできる。
これによって、花粉や他の抗原が入ってきても、この 粘膜上でアレルギー反応を起こすことはなくなり、
花粉症の症状が消える。
手術後は、すぐに帰宅でき、入院の必要はないが、週2~3回の通院は必要。
理想的には2週間に1回、連続4回~5回照射した方が、あとの効果も良い。
少なくとも2回以上は行いたい。
■問題点
手術後約1週間は、粘膜を焼いたことに対する生体反応のため、粘膜が膨れ、かえって鼻閉が強くなり、鼻づまりが起きる。
しかしその後には、アレルギー反応の起きにくい粘膜が再生され、解消する。
花粉症の場合、症状が出る前に手術した方が効果が高いため、早めの通院・予約が必要。
春、花粉の飛散が始まり、発症してからでは、手術が受けられないこともある。